地盤調査のこと2
2017.07.22
カテゴリ:建築/現場
タグ:地盤調査/平板載荷試験
以前ご紹介した地盤調査のこと。
今回は、「平板載荷試験」のご紹介です。
前回ご紹介した「スウェーデン式サウンディング式(SS式)試験」は
地中に細いドリルを刺していき、地盤の強さを判定する方法でしたが、
「平板載荷試験」は実際に地盤に荷重をかけ、地面がどのくらい沈むかを測定する試験方法です。
計画建物の重量以上の荷重をかけて地盤の沈む量を測定する為、
計画建物に地盤が耐えられるかを調べるには一番いい方法です。
ただ、地質や地下水位などは判らないため、他の検査方法と併用することが多いです。
実際の調査にはこんな測定装置を使います。
なんだかおもしろそうな装置ですね。
油圧ジャッキに測定装置を組み合わせたものなのですが、
多くのメーターのうち、一番上にある小さいメーターが荷重計になります。
四方にある小さい4つのメーターがひずみゲージです。
真ん中の大きいメーターは通常は使いません。
油圧ジャッキの下の載荷板に荷重をかけると少しずつ沈んでいくのですが、
ひずみゲージが載っているL形鋼は沈まないので、
その差で沈下量がわかる仕組みです。
ひずみゲージは1/100mmまで測定できるもので、かなり細かい沈下量がわかります。
調査の方法ですが、まず、建物が実際地面に載る深さまで掘って平に整地します。
重機の下の少し深くなっているところが今回の調査場所です。
そこに平になるように砂を敷き、
載荷板という直径30cmの円盤を設置します。この板に実際に荷重をかけていきます。
そしてその上に先ほどの測定装置を設置します。
重機の下に設置していますが、この重機を測定の荷重として使うためです。
今回の計画では建物の重量が45kN/m2(≒4589kg/m2)近くになるため、
試験では余裕をもって160kN/m2(≒16315kg/m2)の荷重をかけます。
測定中です。
30分間荷重をかけ続け、載荷直後・1分後・2分後・5分後・・・と地盤の沈む量を記録していきます。
また、いきなり160kN/m2の荷重をかけるわけではなく、何段階かにかけて荷重をかけていきます。
その為、測定時間は4時間以上かかります。
長丁場の為、検査員の方も水筒を用意し、食事も食べながら測定していました。
暑い中、お疲れさまでした。
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